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弁当箱の蓋を開けると､色鮮やかで食べるのがもったいないと思うような中身｡
一番近くで見ていた弓削も溜め息をつくくらいの豪勢ではないけど､作り手の愛情のこもった弁当だと分かる｡
ただ､どちらかと言えば､女子が喜びそうなカラフル弁当で､男子にはあまり喜ばれない感じはする｡
何だか彼女が彼氏に喜んでもらおうと思って作ってきたという感じでも通じそう｡
箸入れから箸を取り出して､一番カラフルなおかずを口に運ぶ｡
あ､パプリカを炒めてひき肉の餡を絡めていたんだ｡
ほんのりと醤油の風味が美味しさをアップさせてる感じかな?
ご飯も梅とちりめんじゃこの炊き込みだけど､味は少し薄めにしてるのって…もしかして､おかずと一緒に食べることを考えて…?
これは小さいけど､伊達巻だ｡
おかず用に甘さをかなり控えめにしてるけど､すっごくご飯と合う!
おせちの時は苦手だったけどなぁ…｡
ちょっとだけ入ってる煮物も美味しい｡
何か小さい頃食べた記憶が…｡
九州のお婆ちゃんが作ってたがめ煮だ!
「がめ煮なんて､ほとんど食べないけど､意外と美味しいんだ…」
「がめ煮?それ筑前煮だろ?」
弓削が首を傾げながら､不思議そうに僕の食べる煮物の名を呟く｡
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