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「特別寮って、あの一般寮からかなり離れた一軒家みたいな…アレのこと…?」
僕達の学園はどうしても通学が困難な生徒には寮を提供していて、しかも寮は何から何まで無償なんだけど、自販機だけはお金がかかるらしい。
それでも格安みたいだけど。
その一般寮とは別に、執事科寮と特別寮がある。
執事科寮は執事科の生徒しか利用することができない謎の多い寮だ。
そして特別寮は、執事実習や特別なイベントがない限り利用はできない。
最大の特徴は少し広い一軒家で、きちんと敷地があることだろうか。
「特別寮では私を始めとして、使用人が数人入ります。仕事は手早く丁寧で有能な者ばかりですので、旦那様はゆったりと構えていて大丈夫ですよ」
「ちょ…ちょっと待って!使用人て…必要なの?クロッカスは執事だから分かるけど、僕は自分のことは自分でできるよ」
「それは分かっております。ただ、旦那様がいない時に家を維持する者が必要です。敷地の芝生も植木も手入れをしなければ、すぐに荒れ放題となって、不審者が侵入する機会を与えてしまいますから」
「不審者?特別寮とか敷地って言っても学園内にあるんだよ?そんな簡単には入れないと思うんだけど」
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