日曜日の休息と決意

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「……以上なんだけど、何か違和感とかあるかな?」 「美術室の鍵が閉まっていたことが気になりますね。旦那様を拘束したままにはしなかったはず…朝に解放する時に鍵を開けると考えているなら、二度手間になることは分かったはずなのに…」 「逃亡防止とかかな?」 「椅子に縛り付けていて、あの状態で逃げるのは不可能です。旦那様も椅子ごと移動する時には、少しずつしか進めなかったはずです」 そうだ。 椅子でジャンプするようにして進めないと移動できなかった。 「鍵をかけたのって…僕を見張れない何かがあったから?たとえば弓削に何か報告しに行ったからとか…」 「なるほど。旦那様は人質としても何かの道具だとしても、利用価値があると見なしたのでしょう。ただ弓削様と話さないと真実は分かりませんが」 「明日…学校で話してみるよ。はぐらかされるかもしれないけど、話さないままだと何も分からないもんね」 クロッカスが僕にカフェオレを作ってくれてきてくれた。 クロッカスの作るカフェオレはホッとする優しい味がするんだ。 僕達は明日から、もっと学校内でも危機感を持って生活することを心に誓うのだった。
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