真夜中の攻防戦

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自室は二階にあるから、ロビーにある階段を使うんだけど、今はロビーは一部がリビングダイニングになっているから、必ずクロッカスに会うことになる。 僕は自室でのんびりできるけど、クロッカスや他の使用人の人達はまだ仕事中なんだ。 そう思うと、僕だけ早々とパジャマを着ているのが申し訳なくなってくる。 テーブルにノートを広げ、何かを書き込んでいるクロッカスに声をかけるべきか躊躇っていると、彼の方が僕に気付いたようで、席を立ってわざわざ僕の側まできてくれた。 「旦那様、湯加減はどうでしたか?何かご不便はございませんでしたか?」 「全部快適だったよ。高級ホテルみたいでびっくりしたけどね…」 あ、クロッカス眼鏡かけてる。 目が悪いのかな? でもイケメンが眼鏡をかけると更にイケメン度がアップするな…。 「旦那様どうしました?私の顔に何か付いていますか?」 「あ、ううん!クロッカスって眼鏡かけるんだなと思って。目が悪いの?」 「いえ、裸眼でも日常生活に支障はありませんが、レポートをまとめたり、長時間の読書になると、目が疲れて頭痛がひどくなるので、その予防ですね」 「じゃあ、そこまで目が悪いワケじゃないんだね?」
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