告白

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「私の好きな人の話していいですか?」 「え?」 「私のこと知りたいって言ってましたよね?」 「そうでしたけど、唐突ですね。 というか、その人って僕じゃないですよね。」 「ええ。」 「僕があなたのこと好きなの知ってて、それ話すって…振られてる気分なんですけど。」 「別にそう言う意味ではないです。」 「いやーもう聞きたくないよ。 って言っても話したいんだよね。 いいよ、聞くよ。 僕もあなたのこと知りたいから。」 「私、あなたに好きだって言われてから、気付いたんです。 私もあなたみたいに相手を想うと苦しくなる人がいるなって。」 「僕の知ってる人ですか?」 「いえ、面識はありません。 あなたと同じように、その人が居なくなったらと考えたら悲しくなりました。 その人といると私は死にたいって気持ちを忘れられるんです。 一緒にいると、その人の優しさに包まれて安心します。 その人の笑顔が見れると私も嬉しくて微笑んでしまいます。 ずっと前から好きだったことは自覚していました。 でも伝えたことはありません。」 「え、どうして?」 「怖いんです。 居心地のいい関係が崩れるかもしれないから。」 「警戒心高いのが出ちゃうんですね。 そんなの、話してみないとわからないじゃないですか。」 「…言ったところでどうにもならないんです。 昔、似たような境遇の方に想いを伝えて心底後悔しました。 もし、言わなかったら今でも普通に会える人だったと思います。」 「また同じようになると…思うんですね。」 「もう、失いたくないと思って、ずっと気持ちを伝えずにそばにいました。 別の人ですが、大学の時は嘘をついているような気がして耐えられず、言ってしまったこともありました。 その方は寛容な方で偏見も持たず、卒業まで変わらずに接してくれました。」 「人を好きになるのは偏見を持つようなことではないと思いますよ。」 「私は普通じゃないんです。驚くかもしれませんし、軽蔑されるかもしれませんが、、、」 「僕は軽蔑なんてしませんよ。」
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