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「…。」
「僕は背中押したくないです。
あなたのことが好きだから。
でも、苦しんでるあなたを見続けるのも嫌です。
楽になって生きてください。
人生に永遠なんてないんです。
人はそれぞれの道を歩んでいるから、ずっと一緒にいられることって本当に珍しいことだと思います。
あなたみたいな拗れた人とずっと仲良くしているその方も変わってると思います。
只者ではないと感じました。
だから、きっと、あなたを悲しませるようなことはしないと思います。
もし、悲しむようなことがあれば、大丈夫です。
僕がいます。
僕は待ってます。
あなたが振り向いてくれること。
運命だと思ったから、諦めません。
ずるいかもしれないけど、傷ついたときは僕が癒します。」
「私もずるいから、その人にあなたから好きだって言われたこと報告しました。」
「え?」
「相手の気持ち確かめたかったんです。
少し変な期待を持って打ち明けました。
困らせたかったし、動揺して欲しかったし、もしかしたら私のこと好きだって言ってくれるんじゃないかって。」
「それで…どうだったんですか?」
「少し間があったけど、素っ気なかったです。
いいんじゃないって。
でも、目を合わせてくれなかった。
喜んではくれなくて、少し嬉しかったんです。
私、変ですよね。
病気ですよね、本当に。」
「やっぱりぶっ飛んでます。」
「ごめんなさい。
あなたを利用するようなことして。」
「僕、やっぱり今日、振られたんですね。」
「ごめんなさい。
私には好きな人がいました。
想いをちゃんと伝えたい相手がいました。」
「僕が気づかせちゃったんですね。
皮肉なもんですね。
あと少しだったのに。
行って下さい。
女性を残して店を出るわけには行かないから。」
「ごめんなさい。
あなたが優しい人で本当に良かった。
ありがとうございます。」
「がんばって。」
「もしもし、今から会えないかな。」
「ん、どうしたの?」
「会って話したいことがあって。」
「珍しいね、いいよ。
すぐ準備するから、いつものコンビニに迎えにいけばいい?」
「うん、ありがとう。」
ーーーENDーーー
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