C100001

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眼が覚めると、見知らぬ場所に立っていた。 辺りを見渡すと、作業服を着て、忙しく動き回る人々の姿が見えた。 「何ぼさっと突っ立ってるの」 背後から声をかけられた。 振り返ると、女が立っていた。 ソバージュのボブカット。女性にしては背が高いほうだ。眠そうな切れ長の瞳。ダークパープルのリップをつけている。無機質な空間に似つかわしくない、フェミニンなワンピースの上から武骨な作業着を羽織っており、ほのかに香水の匂いがする。 「ここはどこですか?」 私は聞いた。 「工場よ」 女は言った。
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