-50代の美女が…-

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 「…相席(あいせき)、よろしいかしら?…」  50代の美人が繰り返す。  「…ハ、ハイ…」  私はまるで、親や教師に叱られた子供のように、小さな、蚊の鳴くような声で、答えた。  答えたのだ…  我ながら、情けなかった…  私が一体なにをしたというのだ?  ただ見ていただけじゃないか?  私は内心抗弁するが、とても、同じテーブルに座った50代の女にそれを言える勇気はなかった…  私は再びカラダを縮ませて、下を向き、テーブルを見つめながら、コーヒーを飲んだ…  
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