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「…お嬢さん…さっき、私をジッと見ていたわね?…」
「…ハ、ハイ…」
私は相変わらず、蚊の鳴くような声で、答える。
「…失礼だけど、どうして、お嬢さん、私を見ていたの?…」
「…き、きれいなひとだと思って…」
私は正直に答えた。
「…きれいなひと? …こんなオバサンにそんなことを言ってからかっちゃダメよ…」
女性は明るく言う。
私は、
「…そんなことはありません…キレイです…」
と、勘の鳴くような、小さな声で言った。
言いながらも、私は、目の前の50代の美女を見ることができなかった。
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