-50代の美女が…-

8/10
前へ
/24ページ
次へ
 「…お嬢さん…さっき、私をジッと見ていたわね?…」  「…ハ、ハイ…」  私は相変わらず、蚊の鳴くような声で、答える。  「…失礼だけど、どうして、お嬢さん、私を見ていたの?…」  「…き、きれいなひとだと思って…」  私は正直に答えた。  「…きれいなひと? …こんなオバサンにそんなことを言ってからかっちゃダメよ…」  女性は明るく言う。  私は、  「…そんなことはありません…キレイです…」  と、勘の鳴くような、小さな声で言った。  言いながらも、私は、目の前の50代の美女を見ることができなかった。  
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加