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「藤中さん、こちら美咲 舞花さん、明日からうちで働いてもらうことになったから。仕事、教えてあげて」
黒川さんは無表情(どうやら表情に乏しいらしい)で藤中さんと呼ばれた人に指示をだした。
「・・・はあい」
(なんだ?今の間)
藤中さんは私の頭の上から足の先までジロジロ観察すると、
黒川さんが後ろを向いた瞬間にクスリと笑った。
「美咲さん、よろしくお願いしますね、私、藤中 裕子22歳の大学生です」
22歳、若いなあと感心していると、藤中さんは
「貴方も自己紹介お願いします」
そう冷たく言った。
「私は美咲 舞花28歳 専業主婦をしていましたが、この度こちらで雇っていただくことになりました。よろしくお願いします」
すると藤中さんは大げさに驚いて、
「ええ!!落ち着いてるから35歳くらいかと思いましたよ!まだギリギリ20代だったんですねえ」
そう言うとクスクス笑った。
(私、この子に何かしたかな・・・)
考えるけどわからない。だってまだあったばかりなのに
(この子と一緒にやっていけるかしら)
私はわずかな不安を感じながらも.明日から始まる仕事に思いをはせた。
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