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「そろそろ帰らないと」
もう5時になっていた。
そろそろ家に帰って、堪った家事を片付けないといけない。
「旦那遅いんだろ?もっとゆっくりしていったらいいのに」
「だめよ、帰りたくなくなくなっちゃう。これからもこうしていたいんだったら割り切って付き合わないと。ねえ、優、貴方は・・・」
(やめたほうがいい)
その言葉は優の口づけで消されてしまった。
「俺は舞花といる。なにがあっても。」
熱いまなざしで私を見据える。
(私だってもう、離れられないよ。だって、知ってしまったんだもの。貴方の熱を、愛を)
私達の歩む道は暗闇。そこにひとかけらも光はない。
それでも進みたいと思った。
まだ出会って少ししかたっていないのに、優の純粋な愛をうけて、私の心が揺らいでいたから。
「ごめんね、愛してしまうかもしれない」
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