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ガチャリ。
普段開くことのない扉が開いたのは私が涙を流した直後だった。
「え、太一、どうしたの?」
私はあわてて涙を拭う。
だけどそれは太一にしっかりみられていた。
「舞花なんで泣いてるの?やっぱりバイトで嫌なことがあったんじゃないの?」
太一は聞いたことのないような優しい声でそう言うと、ベットにこしかけて私を抱きしめた。
「太一・・・やめて」
優の温もりを上書きするような抱擁。
私は力一杯押しのけようとしたが、太一の方が体格もよくしかも男だ
私の力ではどうしようもなかった。
「なんで拒絶するの?久しぶりで緊張してるのかな?ちょっと待っていて」
そう言うと太一は部屋を出て行った。
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