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戻ってきた太一が手にしていたのは香りの良い紅茶だった。
「舞花の好みに甘めに作ってあるから、これを飲んでリラックスしたらいいよ」
私は突然の献身に戸惑ったが、親切でしてくれていることをはねのける気力もなく、紅茶を一口すする。
「あ、おいしい」
それは私好みの甘みで冷えた身体にじんわりしみる味だった。
「ふふ、太一ありがとうあったかいよ」
そう言ってごくごくと飲み干し、カップを片付けに行こうとすると、太一にカップを奪われてしまった。
「片付けに行かないと」
「そんなの後でいい。今は舞花がほしいんだ」
驚いた。だって2年間も何もなかったのに。
もしかして、子供がほしくなったのか。
私は少し期待に胸をふくらませながら問いかけた。
「もしかして、太一も子供がほしくなったの?」
「いや。子供がいたら優の生活が制限されてしまうだろう?必要ない」
そう言い切ると太一はひざまずいて私の足を手に取り、おもむろに指先を1本1本なめ始めた。
「太一!やめて、きたないよ」
「お風呂に入ったんだろう?だったら大丈夫だよ」
そう言うと、最初は右足、次は左足の指を赤ちゃんのようにしゃぶり、それが終わると舌をふくらはぎにそって舐めあげた。
「んん・・・やあ、お願いだからやめて」
太一の頭を押しかえして抵抗するが、びくともしない。
太一は両足をたっぷり舐めた後今度は太ももの内側を舐め始めた。
息が私の一番弱いところにかかる度に、嫌だと思いつつも身体が跳ね上がる。
「いつの間にこんなに感じやすくなったの?まさか一人でしていないよね?」
「いや、どうしてそんなこと聞くの。意地悪はもうやめ・・・」
やめてと言おうとしたときだった。
ぐるん
急に世界が回った。
「え、なに」
そこで私の意識は途絶えた。
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