黒川優

3/4

293人が本棚に入れています
本棚に追加
/118ページ
クチクチと静かな事務所に水音が響く。 私は優に口を指で塞がれているから、辛うじて声を抑えることが出来ていた。 「舞花・・・かわいいよ・・・声聞けないのが残念」 優は夢中になって私にむしゃぶりついた。 (ああ、好き、大好きよ優) 声を出せないけれど、心の中で強く思う。 優の荒い息と汗の匂いが心地よかった。 「舞花・・・は・・・もういっていい?」 わたしは返事の代わりに優の腕に頬ずりした。 「優・・・優・・・」 ドクリとあついものが私のなかに溢れた。
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!

293人が本棚に入れています
本棚に追加