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(ええと・・・私どうしたんだっけ?目が覚めて、お粥をたべて)
頭はまだ痛んだけどとにかく身支度をして仕事に行かなくては。
私は時計を確認した。まだ6時45分。仕事には十分間に合う。
ほっと胸をなで下ろしてチュニックとパンツをはいている時だった。
ヴーッヴーと携帯が鳴り始めた
慌てて画面をみると、そこには黒川優の文字が
「ゆ・・・黒川さん、こんな早い時間にどうしたんですか?」
「早い時間?美咲さんなに言ってるんですか?今日は連絡もなく欠勤されていたじゃないですか」
「え・・・」
「今は夕方ですよ。何かあったんですか?」
一気に血が下がる。
勤め始めたばかりで無断欠勤なんて、とんでもない失敗だ。
「すみません・・・疲れていたみたいで、ずっと寝ていて、今からすぐに向かいます。」
「いえ、今日はもうすぐ終わりですから、明日は時間を間違えないように」
優の優しい声音で私はようやく血が戻ってきた。
「ありがとう・・・優」
「気にしないで、昨日はご主人が迎えにきたりして、疲れたんだよ。ゆっくり休んで」
そう言うと電話は切れた。
「本当に、私どうしちゃったんだろう・・・」
漠然とした不安をかかえ、私は家事にとりかかったのだった。
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