砂のお城

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お風呂から上がると、ちょうど太一が私が大好きなカモミールティーを入れてくれていたところだった。 「こっちにおいで、今日はお土産にケーキもあるよ」 そう言うと、机の上に、栗のタルト、モンブラン、チーズケーキ、ショートケーキ、モモのタルト、パンプキンパイ、アップルパイ、プリンアラモード・・・ 色とりどりのケーキを並べた。 「え・・・私と太一しか食べないのに。どうしてこんなに?」 「お前は甘い物が好きだろう?食べている姿をみたかったんだよ」 太一はさっきとは打って変わって優しい微笑みを浮かべて私を手招いた。 私は太一の向かい側に座り、とりあえず、一口カモミールティーを飲む。 ふわりとカモミールのいい匂い。 私はほうっとため息をついた。 「美味しかったみたいだね、嬉しいよ、さあ、ケーキも全部食べて」 「え・・・全部は無理だよ」 そう言った時だった。
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