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「どうしてそんな声をだすの?こんなに優しくしているのに。おかしいよ、舞花、俺はいつだって、舞花を見守ってきたのに、覚えてるかい?会社で初めて君に出会った日に俺はお前を手に入れるときめたんだよ?お前が俺を好きになるように、優しくしたり、突き放したり、すごく努力したんだ。案の条、お前は俺にアプローチしてくれた。嬉しかったなあ。
それからプロポーズもお前からするように、結婚をちらつかせたり。これも思い通りにいって。こうして俺たち夫婦になったんじゃないか。」
「え・・・仕向けたって・・・」
「舞花は純粋だからね。簡単に操作できてしまうんだよ。だから俺はいつも心配でね、この世界に舞花が穢されてしまうのが。だらか仕事も辞めさせて家で大切に大切に育てていたのに。なのに!なのにい!!!!」
がしりと太一は私の髪をつかみ彼の方をむりやり向かせた。
私は痛みと恐怖で涙が止まらない。声も出ない。
「家にいる間はいいんだよ。いつもカメラで見守ってあげられるから。外に出たら位置情報でしか君の様子がわからないから。なるべく家にいてほしかったのに。最近の君はいけない子だったね、いつもいつも出歩いて。」
「カメラ?位置情報?」
「だって君は私の可愛い妻だから、見守っていたかったんだよ。」
「だったらなんで、なんでいつもかえってこなかったの!?私を一人にしたの?」
私は泣きながら太一に思いの丈をぶつけた
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