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「なにしていたの?」
子供のような単調な声で太一は私に問いかける。
「あ・・・ちょっと・・・お腹がすいて、探していたの。食べるもの」
太一は表情を変えず、私をぐいと立たせると、
「駄目だよ?せっかくのスタイルがくずれてしまう。明日の朝までは我慢しようね」
そう言って私をベットまで連れて行った。
「良く聞いて、舞花、いい子に出来ないのなら、足枷だけでなく、手や首にも枷をしないといけなくなるんだよ。そうなったら、不便になるだろう?いい子だから、へんなことをしてはいけないよ」
ぞっとした。今後なにかして、それが太一に見つかってしまったら。
私はもう動くことすら出来ないくらいがんじがらめに拘束されてしまうのか。
涙がでそうになったけど、ぐっとこらえて微笑む。
「わかった。私は何もしないから、安心して休んで。私ももう寝るから」
一刻も早く、太一にどこかに行ってほしかったから従順なふりをした。
だが、それが効果的だったようで、
太一は私の髪をさらりと撫でて去って行った。
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