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光に向かう蝶
行く当てもなく私は街を彷徨った。
街行く人は私が裸足で挙動不審に歩いているから、ジロジロと見てきたけれど、それどころではなかったからひたすら前に進んだ。
気付いたら懐かしのショッピングモールの入り口に立っていた。
(ここにはもうこれないと思っていたのに。)
私は嬉しくて涙ぐんだ。この先に優がいる花屋がある。
あと数十歩あるいたら。
会える。
私は一歩二歩三歩とゆっくりと歩み始めたが、それは四歩目で止まってしまった。
太一が私の手をつかんだのだ。
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