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ガタンガタンと電車が走る。
私と優は太一の追跡をなんとかかわして、電車に飛び乗って逃げることが出来たのだ。
「優・・・仕事とか大丈夫?こんなことしたら、優に迷惑かけちゃうよ」
「いや、その足の傷、あいつのせいだろう?それに、なんだか普通じゃない雰囲気だったし、そんなところに大切な舞花を帰したりできなくて、無計画に連れ出してごめん。」
「謝らないで。でも、これからどうするの?」
「いったん自宅に帰って荷物をまとめたらすぐに旅にでよう。そうだな、北海道とかいいんじゃないか?自然は綺麗だし、もしかしたら住み込みで働けるところが見つかるかもしれない。」
「優・・・ありがとう・・・」
いつまで続くか分からない儚い夢だけど、
今の私にとっては希望の光だった。
(私と優は蝶みたい。わずかな光にすがって飛ぶ蝶)
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