第1話 発現

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シーン6(島の語り部 尾張源じいのトーク 島と付近の情景の説明) 儂の名は尾張 源。おんべ島で「ミノヤ」ちゅう旅館をやっとる。 おんべ島は周囲8.2km、面積0.94km2。 太平洋側にあるC半島とA半島の間にあり、C半島から約3km沖合にある人口1600人程度の島じゃ。 島の周りには人の住まない小島が10あまり点在しておって、まさに風光明媚。 松島にも似た景観は見ものじゃよ。 この島に何時頃から人が住み着いたのか?それは誰にもわからんが、 この前縄文土器が出土したので縄文時代には人が住んでおったようじゃ。 小さい島のわりに歴史はあるようだの。 今日1月3日は島にある神日月神社に八月神社の神さんが 逢引 にくる 「オワタリ」の神事があっての。 神日月神社の宮司が八月神社のご神体を持ってくる。時間は夜6時から6時半までの半時。 島は電気が消えて、島民は家にこもって静かにしとる。 ワシらが小さい頃は雨戸も閉めて静かにしとったもんだがい。 こん時は本当に静かで聞こえるのは波の音だけになるのお。 さて、ワシも祭礼の準備でもしようかのお。
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