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女神ツチ「シノよ ただいまより 邪 との戦いが始まりました」
男神ジンジ「 近いうちにまた逢おうぞ」
急に周りの音がハッキリ聞こえるようになった。
実は最初に神さまの声が頭に聞こえ出した時からまるで耳栓をしたかのような感じで、
すこし外の音が遮断されているようだったのだ。
シノは今起きた事がまだ自分の中で消化できないでいた。
シノ「今のは何だったんだろう・・・」
そう思いながらふっと坂道の下を見ると父たちが八月神社のご神体を担いで登ってくるのが
見えた。
シノ「いっけない」
シノは慌てて境内に戻り住居に入った。
住居の玄関を入り玄関扉に背中を向けて息を整えていると 「ドンドン」 という太鼓の音が
響いて住居内の電灯が灯った。
「オワタリ」がおわったのだ。
一斉に島の人々がこの神社の参拝に来る。
「パンっ パンっ」
シノは自分の両頬をたたいて、いまだ混乱している自分に巫女としての仕事スイッチを入れた。
住居の外に出ると島のあちこちで明かりが灯り、神社の社殿も明るく照らされていた。
あっという間にシノは参拝者の対応に追われるようになり、さっきの出来事など考える余裕がなくなっていた。
第1話 発現 終わり
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