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焦る『銀の魚』達
Kingに呼び出された暁は焦っていた。何故店に来たのか?家の店の状況が外部に漏れているのではないかと思ったからだ。
『Silver Pisces』の凪斗から「アドルフが真凜を欲しがっている」と言われた時はさすがに断った。
しかし「「Siren」の様になりたくなければ指示に従え」と言われてはさすがに黙る事しか出来なかった。
理人の部下の黄河達が他の店でアドルフのお気に入りの女を見つけては、薬漬けにして拉致しているのを知っていた。自分の店で同じような事が起こっては厄介だ。
厄介事が大嫌いな暁は、凪斗の指示に従っていた。
10日前に凪斗が連絡をしてきた。
「今日から女を1人店に置いてくれ。源治名は「梨華」で入れてくれればいい」
そう言われて梨華を入れたが、それから凪斗がやってきて気が付けば真凜を指名することが増えた。
凪斗が来る時はVIPルームを使い真凜と梨華を指名する。その中では凪斗が持ってきた麻薬を飲み物に仕込む様に言われた。
しかも監視カメラを止めるようにも言われ、それを守らない場合は店にいる他の女の子が急に来なくなる事があった。
今考えれば、凪斗が来る前から『Silver Pisces』の人間が出入りしていたのだろう…
過去にあった「La Vie en rose」という店が同じようにしてなくなったのを知っていた暁は
同じ目に遭いたくない一心で、彼らに従っていたのだ。
勿論見返りはあった。口封じのための金に薬。時には凪斗が掌握している「Violet Lotus」へも入る事を許された。
気が付けば、金と薬の快楽に魅入られていた…
そして今日、アドルフが凪斗と一緒に店にやってきた。真凜を偉く気に入り、いずれは引き抜くと言い出したのだ。
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