現実に引き戻される「蒼焔」

1/7
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ

現実に引き戻される「蒼焔」

「さて物証も『着いた』事だし、始めるとするか!」 「Queen様、その言葉はいけません!」 ウルフが言った言葉に、あたしは眩暈がした。 サングラスを外して、頭を押さえて目を閉じる。 次の瞬間、目を開けるとあたしの瞳は蒼く戻っていた。 それと同時にBluetoothから声が聞こえる。 「ウルフ、何やってんだよ!なんで蒼焔に戻した!」 「え?俺もしかして…なんかやらかした?」 「Queen様、今言ってましたよ?「物証も『着いた』」と…」 「ウルフ…そこには誰がいる?」 「えっと、KnightとBishopと、真凜だけです」 「それならいいが、他の奴がいたら大事になるんだ。気を付けろよ」 『Knight、頭痛薬をくれ…』 そう言ってKnightから頭痛薬をもらうとあたしはそれを飲んだ。 イレギュラーによる人格交代は今までなかった。頭を押さえながら、ウルフを睨む。 『何で急に戻すんだよ…』 「そう言うつもりはなかったんだよ!なんて言うか…」 「今は言い争ってる場合ではありません!早く検証を始めましょう」 Knightに言われてあたしは周りを見る。 部屋の奥には意識のない真凜がソファに横たわっていた。 『真凜、大丈夫か?やばいな…意識が殆どない』 「まさか奴等に薬を飲まされたか?」 『Knight、グラスにキットの中の液体を入れてくれ。色が変われば何かしらの薬物反応がある』 「Bishop様、反応出ました!」 Knightが見せたグラスには緑の液体が入っていたが、1つだけ赤い口紅の付いたグラスは濃い紫色をしている。 それを見たあたしは注射のカートリッジとアンプルを取り出して真凜の首元に打つ。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!