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現実に引き戻される「蒼焔」
「さて物証も『着いた』事だし、始めるとするか!」
「Queen様、その言葉はいけません!」
ウルフが言った言葉に、あたしは眩暈がした。
サングラスを外して、頭を押さえて目を閉じる。
次の瞬間、目を開けるとあたしの瞳は蒼く戻っていた。
それと同時にBluetoothから声が聞こえる。
「ウルフ、何やってんだよ!なんで蒼焔に戻した!」
「え?俺もしかして…なんかやらかした?」
「Queen様、今言ってましたよ?「物証も『着いた』」と…」
「ウルフ…そこには誰がいる?」
「えっと、KnightとBishopと、真凜だけです」
「それならいいが、他の奴がいたら大事になるんだ。気を付けろよ」
『Knight、頭痛薬をくれ…』
そう言ってKnightから頭痛薬をもらうとあたしはそれを飲んだ。
イレギュラーによる人格交代は今までなかった。頭を押さえながら、ウルフを睨む。
『何で急に戻すんだよ…』
「そう言うつもりはなかったんだよ!なんて言うか…」
「今は言い争ってる場合ではありません!早く検証を始めましょう」
Knightに言われてあたしは周りを見る。
部屋の奥には意識のない真凜がソファに横たわっていた。
『真凜、大丈夫か?やばいな…意識が殆どない』
「まさか奴等に薬を飲まされたか?」
『Knight、グラスにキットの中の液体を入れてくれ。色が変われば何かしらの薬物反応がある』
「Bishop様、反応出ました!」
Knightが見せたグラスには緑の液体が入っていたが、1つだけ赤い口紅の付いたグラスは濃い紫色をしている。
それを見たあたしは注射のカートリッジとアンプルを取り出して真凜の首元に打つ。
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