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『麻薬と強力な睡眠薬の同時使用…八虎の奴、本格的に仕掛けてきたな』
「麻薬って何使ってるか分かるのか?」
『このテーブルに残ってるみたいだ』
テーブルを軽くなぞると、指に粉が付いてきた。ピリピリする感覚が指から伝わってくる。
指に着いた粉を舐めると甘い味がした。
『ウルフ、Knight、テーブルには絶対に触るな!皮膚からも入る程の麻薬だ。
念の為マスクをしておけ。普通の麻薬よりも甘い味がする。睡眠薬はかなり強力だな…』
ウルフとKnightはキットの中にあるマスクを付けた。
刷毛を使いテーブルの上に滑らせると、細かい粉が集まった。その粉を2つの袋に入れる。
そしてアンプルの付いたままのカートリッジと1つの袋を一緒にKnightに渡すと、あたしは指示を出す。
『Knight、真凜を連れてすぐにMariaの所へ行ってくれ。
袋を渡せば麻薬の特定はしてくれるはずだ。カートリッジは中和剤を使った証拠になる。
外のフェラーリを使っていいからな。急げよ』
「分かりました、Bishop様」
そう言うとKnightは真凜を抱えて店を後にした。
外からフェラーリのエンジン音が聞こえ走り出したのを確認する。
「真凜の奴、大丈夫か?」
『どうだろうな…あの薬を使われて2時間は経過してるからな。
しかもテーブルの上一面に広がった麻薬は吸引しても影響が出る。
耐性のない真凛はどうなるか…あとはMariaの腕次第だな。
Master、どうしますか?奴等は早い段階で仕掛けてくる可能性があります』
「最新の麻薬か…まだそこに残ってるか?」
『残っています。かなり雑に扱ったようですね。テーブル全体に粉が飛んでます。
しかも素手で触れば危険です』
「俺とRook、夜叉もそっちに連れて行こう。
全員で調査と今後の対応をしないといけないようだな」
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