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『どうなってるんだ?この薬を作れる組織って何処だ?』
そう考えている時に、Bluetoothから通信が入る。
「Bishop、あたしだけど。奴等、随分と厄介な代物を使ってくれたわね」
『Mariaか。もしかして麻薬の特定が出来たの?』
「その声は蒼焔ね。あの薬はとんでもない物よ。睡眠薬は『フルニトラゼパム』…
俗にいう『サイレース』かな。向精神薬法に該当する薬物なのは確か。
真凜は普段、睡眠薬を使わないみたいだからそれが効いて意識を失った可能性が高いよ。
麻薬の方は『LSD』の亜種だね。しかも強めのもので、薬の味を隠すのに『乳糖』まで使ってた」
『『LSD』の亜種って…だから手で触っただけで変な感覚があるのか…
しかも『乳糖』を使ってカムフラージュ?』
「多分そうだと思うの。蒼焔が打ったアンプルでここに来るまでには回復してたみたい。
でも少しの間は入院が必要ね。何であれを使ったの?」
『キットの液体が紫になってたからね。八虎達が飲んでいたものは緑だったよ。
つまり奴等は麻薬しか使っていない事になる』
「さすがは殆どの薬を自分の身体で試しただけあるわね」
『ただ問題があってね…あの薬を扱っている組織が分からないんだ』
「こっちでも調べてみる。蒼焔も分かる限りでいいから調べてみてくれる?」
『分かった。真凜の事、頼むよ』
通信を終えるとあたしはため息をつく。
麻薬と睡眠薬を普通に混ぜた物ならば一般人でも簡単に作れる。
しかし今回の薬は、薬剤師が使う『乳糖』が使われている。一般人では作れないのだ。
研究機関とかで作るような方法でないと、正確な薬は作れない…
ある意味手詰まりになった感じがした。あたしはいらついて、テーブルを叩く。
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