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「蒼焔、大丈夫か?まだ頭が痛むとか?」
いつの間にかウルフが戻って来ていた。あたしが頭を抱えているのを見て心配している。
『いや、そうじゃない。頭痛はある程度収まった。さっきMariaから連絡があってね。
あの薬は一般人が作れる代物じゃない事が分かったんだ。ただ、何処で作られたか分からない』
「それは『Silver Pisces』じゃねえの?自分の所で作った薬を使ってるって事じゃん」
『あの組織にはそこまで腕の立つ人間はいない…製薬会社とかと提携してない限りな』
「製薬会社?なんでそんなものが出て来るんだよ?」
『今回のこの薬…普通の麻薬じゃないんだ。『LSD』の亜種が使われてる。
あたしだからいいものの、他の人間だったら触れただけで麻薬の効果が発揮される代物だ。
しかも調剤薬局で使われる『乳糖』って言う子供が薬を飲みやすくするものが使われてるんだ』
「つまり、その製薬会社が奴等と闇取引をしている可能性があるって事か?」
『そう考えるのが妥当かと。死翠ならもっと詳しい事が分かるかもしれないけど
Masterの指示がないとあいつは出てこないんだよ』
「それで手詰まりか。兄貴達は後で来るんだろ?だったらその時に頼めばいいじゃん」
『あいつはこの状況を愉しむよ?『死人はいないのか』って言って…ところで収穫はあった?』
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