過去を視る「澪《死翠》」

2/8

6人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
「モニターが機能していない?何でだ?」 『多分、あのオーナーだよ。奴等に逆らえない事を良いことに、この部屋のモニタリングを停止させられてる』 「Pawn、オーナーをこの部屋に呼べ。今すぐにだ!ウルフはバックヤードに行って確認を頼む。 蒼焔、本当に良いんだな?あいつを出して…」 『ええ。多分彼はオーナーを壊すかもしれませんが…』 「それは今度だ。奴等と一緒に始末させる。今はその時期じゃない…とにかく死翠を出そう。死翠『死刑判決』の時間だ」 Kingの言葉にあたしはソファに身体を預けて目を閉じる。 ゆっくりと目を開けると、瞳は翠に変わった。 『かったるいな…でも俺はこの薬、嫌いじゃないぜ』 「悠長な事言ってる場合じゃないぞ、死翠…」 『で、俺を呼んだって事は誰かを殺していいんだろ?』 「まだ時期じゃない。確かにこの場所になるだろうが、それは先の話だ。 今からこの店のオーナーが来る。 奴の言葉に嘘がないか調べて欲しいのと、今日ここにいた奴等の動向が知りたい」 『つまり、俺にこの場所の過去を視ろってか?』 「簡単に言うとそうなるわね。未来予測が出来るなら過去も視れるでしょ?」 『んな事、監視カメラの仕事じゃねぇか。俺の仕事じゃないな』
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加