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「それで暁、どうなんだ?ちゃんと答えろ。澪は気が短いんだ。こいつを怒らせたら俺でも止めるのは大変なんだからな」
「は、はい…風雅様。奴等が来はじめたのは1ヶ月程前で、以前他の店で『Silver Pisces』の人間が店を襲ったという話は聞いていましたが、多分それと同じ時期かと。
初めは分からなかったんです。2週間程前から店の女の子が急に来なくなる事が増えて…」
「2週間前から?なんでその時にすぐ言わないんだよ!」
「ですから初めは分からなかったんですって。ところがある日「凪斗の部下」が来て『「Seiren」と同じ目に遭いたくなかったら大人しく言う通りに従え』と…」
「それで奴等の言いなりか…家の組織の店だって分かってやってるんじゃねぇか、あいつ等」
「何で監視カメラでモニタリングしなかった?」
「それも、先に向こうから言われました…」
暁の話を聞いているが、どうしても腑に落ちない。すぐに報告をすれば問題は無いのに、報告もなければ奴等の言いなりだったり…サングラス越しに暁を見ると、明らかに目が泳いでいる。
『お前、兄貴の前で嘘なんか言ってねぇよな?さっきからずっと目が泳いでんぞ』
「う、嘘なんて言ってません!本当です!」
「澪、暁の言う事は信用出来ないって言うのか?」
『こんな挙動不審な奴の言う事が信用できるって言うのかよ、Queen…明らかにおかしいだろうよ』
「落ち着け、澪。煙草でも吸ってろ。それでその後はどうなったんだ?」
「はい…10日程前に1人女の子が入ったんですが、その子が来るようになってから何故か凪斗も来るようになりまして。それから真凜を指名する事が増えました。凪斗は3日に1回程、その子をアフターに誘っています」
「それが真凜に付けていたヘルプか?」
「はい、そうです」
あたしは紫煙を燻らせながら話を聞いていた。10日前に入った女が雪音で凪斗の差し向けた刺客だとしたら…そんな事を考えながら部屋を見ていると、フィルターの掛かったような風景が見える。
そこには凪斗にしな垂れかかる紫のドレスを着た女が1人と、白いドレスの真凜、そしてその横には明らかに普段から薬をやっている凪斗の部下が3名ほど見えた。
しかも時々暁がこの部屋に来て、凪斗と何かを話し金や薬を受け取っている風景も見えた…
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