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「視えたのか、この部屋の過去が?」
『ああ。凪斗にしな垂れかかる紫のドレスの女が1人、凪斗と一緒に来ていた部下が3人、そして白いドレスの真凜がいた。暁は時々部屋に来て軽い麻薬入りのドリンクを真凜に飲ませてる。
しかも紫のドレスの女が裏で暁に金や薬を渡してた』
「じゃあ、さっき言ってた小型カメラってどういう事だ?」
『あれは八虎のコレクションだな。薬で真凜の意識が曖昧な時に、真凜に下衆な事しているのを撮っておいたんだ。
拉致した後で言う事を聞かなかったら、それを見せて脅すんだよ。あいつの常套手段の1つだ。
兄貴、これでもあいつを殺したらだめなのか?』
「ちょっと待てよ。「Seiren」の時は未遂だっただろ?なのに何で暁は「Seiren」の名前を出したんだ?」
「あいつのミスだな。初めに澪が凄んだだろ?あれで本来出してはいけない家の傘下の店の名前を出しちまったのさ」
「じゃあこの名刺はどう説明するんだよ…」
『いざとなった時の言い訳さ。知り合いの女を連れて来てて、そいつが落としたとかって言う事だろうよ。でも煙草の箱に細工をしたのが間違いだ。まあ、普通の奴は気づかないけどな』
あたし達の話を聞いていたKingは明らかに怒りを覚えている。下手をしたらすぐにでもあたしに命令を出そうという勢いだ。
でもそこを必死に抑えているのが分かる。あたしはそれを見て呟いた。
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