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『兄貴…『執行』してもいいか?』
「今何て言ったの?澪『執行』って…」
「ちょっと待てって…おい!」
あたしが自分で発した言葉とRookが言った言葉で、あたしは目を閉じて瞳の色を紅く変えた。
ウルフが止めようとしたが遅かった…あたしはサングラスを外すとKingを見て言う。
『まだ時期尚早ではないのか?風雅よ…』
「お前が言わせたのか?奴に」
『それが過ちだと言うならば、勝手な真似をした。非礼は詫びる』
「いや、助かったよ。お前の判断は正しい。でもこれで解った…斬るべき駒がある」
「で、例の物はどこにあるんだよ、澪…」
『そこだ』
そう言って席を立つとあたしはドアのノブの下に取り付けられた小型の盗聴器を取り、机の上に置いた。
『入ってきた時に取り付けたのであろう。つまり、ここに入ってきた時から、奴は全ての話を誰かに聞かせていたと言う事になる。
そうだよな、暁…そして聞いているのは多分凪斗であろう?』
「そう言う事か…俺を相手に随分と舐めた真似をしてくれたな、暁、凪斗。
お前等…首を洗って待ってろ!」
次の瞬間、Kingは盗聴器を拳で叩き割った。聞いていた相手は急な衝撃音で耳をおかしくしているだろう。
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