焦る『銀の魚』達

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「凪斗様、どうするつもりですか?」 「八虎様には話をしてある。暁、予定を変更して明日決行する」 「明日ですか…それは凪斗様だけが来るのですか?」 「いや…八虎様も行くと言っている。理人も一緒にな」 「アドルフ様に理人様まで?どうして…」 「決まってるだろ?風雅を潰すんだ。」 「アドルフ様!本気ですか?」 聞こえてきた声に全員の顔に緊張が走る。『Silver Pisces』のトップのアドルフこと「八虎(やとら)」が出てきたのだ… 「しかし明日決行したとして、奴等は気づきますかね?」 「逆に誘き寄せろ。あの店で総てを終わらせればいいだろう? 『Black Gemini』を陥落させるだけだ。暁、しっかりやれよ」 「分かりました、アドルフ様…」 「凪斗、理人にも伝えておけ。腕の立つ奴を厳選しておくようにな。後、今日使った薬もだ。 あの薬なら全員が潰れるだろう。組織もそうだが、店ごと全部乗っ取ってやる」 「全員に薬を使うのですか?それって客にも…?」 「勿論だ。あの薬は効果がある。今日の真凜がいい例だろう。あれを使えば女など思いのまま… 最終的には洗脳して家の組織で侍らせて、仕上がりのいい奴は「Violet Lotus」で使おう。「Scylla」は改装して「Violet Lotus」の2号店にすればいいな。そうなったら暁はそのままオーナーに就け」 「いいのですか、アドルフ様」 「もともとお前の店だろう?風雅が消えれば真凜も行き場がなくなる。 戻ってきた所で薬を使えば一発だろう。その証拠に今日は見事に薬が決まったからな」 「あの味を知ったら、そう簡単には抜けられないですからね」 そう言って奴等の嘲笑う声が聞こえてきた。
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