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「忙しい所悪いな。Pawnから連絡が入った。
「Scylla」に動きがあったようだ。
今日の夜中でいいから店に行ってくれないか?」
その声はあたし達がいる『Black Gemini』と言う組織のトップの「King」であり、
秘密組織『Arcana』の総帥でもある「風雅」だった。
あたしと夜叉は客を相手にしながら話を聞き、離れた場所にいるウルフとアイコンタクトをとるとウルフが店の外に出て返事をする。
「分かりました、King。あとでBishopと現地に向かいます」
「頼む。場合によっては死翠が出る可能性も否めない。
Bishopの車を店の傍に置いておくようにKnightに指示しておこう。武器は中に積んでおく」
「車って、黒のポルシェ?」
「いや、赤のフェラーリだ。ポルシェは奴等が1度見ているからな」
「フェラーリだって!誰が運転するんだよ…」
「決まってるだろ?紅焔だよ」
「King、今は蒼焔が店に出てるんだって。紅焔は出せないっすよ?」
「店を閉めたらお前が紅焔を呼べばいいだけだ。出来るだろ、Queen」
「あーもう!分かりましたよ、やりゃいいんでしょ、やりゃ…」
「お前なら出来るさ。何か分かったら連絡を頼む。あ、言い忘れてた事がある。
「Scylla」のオーナーには蒼焔の事は勿論、Bishopだと言う事を隠している。気を付けてくれ」
そういうと通信が切れた。店に戻ってきたウルフは頭を抱えており、それを見た夜叉が笑っている。
あたしはと言えば、複雑な心境でグラスを磨いていた。
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