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車を駆る「紅焔」
気が付けば時計の針は12時を回り「B52」は閉店の時間になった。
夜叉は今日の売り上げを確認している。ウルフはカウンターやテーブルを拭き片付けをしている。
あたしはカウンターの中の掃除をして、シェーカーやグラスを洗って並べている。
片付けが終わると、全員がソファのあるテーブルに集まっている。
窓の外には紅いフェラーリが止まっていた。
「今から行くのか?」
「車はさっきKnightが持ってきた。赤のフェラーリとか運転出来る技術って…
あいつどういう事なの?」
「フェラーリって…外の車か。あれは誰のだ?蒼焔」
『あたしも使うけど、基本的には紅焔かな。黒のポルシェは使用禁止令が出てるし。
本当はあれが一番動かしやすいんだよね』
「って言うか、俺は着替えないとだめか?」
「そのままでも良いんじゃないか?でも、Pawnがいるんだったらスーツの方が無難か」
『万が一、相手とかち合った時にはスーツの方が良いかもね。
夜叉はここでモニタリングする?』
「その方が良いだろう。風雅もやってるんだろうけどな。
って言うか動きって何があったんだ?」
「詳細は言わなかったなぁ…でも元々「Scylla」へ特攻するのは3日後のはずだろ?」
『もしかして…向こうが先に動いた?』
「どういう意味だ?蒼焔」
『「凪斗」だけじゃなく「理人」も一緒に動いている可能性も否めない』
「どっちにしても店に行かないとわからないな…ウルフ、着替えた方が良さそうだぞ?」
「じゃあ着替えて来るか…Bishop、俺が着替える間に『執行』の準備しとけよ?」
ウルフの言葉にあたしは目を閉じる。目を開けると蒼い瞳が紅く変わっていた。
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