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車は大通りに出ると加速を始める。気が付けばスピードは時速100キロを超えている。
あたしは問題もなく車を走らせているが、ウルフは落ち着かない様子だ。
『どうした?天狼、今からそんなに緊張してどうする?』
「あのさ、これフェラーリだよな?しかも時速100キロ超えって…
警察に捕まったらどうするんだよ」
『警察?逢った事は1度も無い。何せ普段は『Black Gemini』の蒼焔だからな』
「あ、そっか。Kingが前に言ってたっけ。「いざとなれば動かせる駒はいくらでもある」って…」
『それよりも「Scylla」にいるPawnに連絡を取ってほしい。
今日何があったのか報告をしろと』
そう言うと、ウルフはBluetoothを操作してPawnに連絡を始めた。
「俺だ。今そっちに向かってるが、一体何があったんだ?
凪斗がSPを連れてきたって、そんなのはいつもの事だろうよ。
どうせまた指名は真凜だろ?アドルフのお気に入りにされそうだしな…
何?今回はアドルフも来たって!」
ウルフとPawnのやり取りを聞いてあたしはアクセルをさらに踏み込む。
跳ね馬はさらに加速をして200キロ近いスピードで闇夜を駆ける。
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