車を駆る「紅焔」

3/5
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
車は大通りに出ると加速を始める。気が付けばスピードは時速100キロを超えている。 あたしは問題もなく車を走らせているが、ウルフは落ち着かない様子だ。 『どうした?天狼、今からそんなに緊張してどうする?』 「あのさ、これフェラーリだよな?しかも時速100キロ超えって… 警察に捕まったらどうするんだよ」 『警察?逢った事は1度も無い。何せ普段は『Black Gemini』の蒼焔だからな』 「あ、そっか。Kingが前に言ってたっけ。「いざとなれば動かせる駒はいくらでもある」って…」 『それよりも「Scylla」にいるPawnに連絡を取ってほしい。 今日何があったのか報告をしろと』 そう言うと、ウルフはBluetoothを操作してPawnに連絡を始めた。 「俺だ。今そっちに向かってるが、一体何があったんだ? 凪斗がSPを連れてきたって、そんなのはいつもの事だろうよ。 どうせまた指名は真凜(まりん)だろ?アドルフのお気に入りにされそうだしな… 何?今回はアドルフも来たって!」 ウルフとPawnのやり取りを聞いてあたしはアクセルをさらに踏み込む。 跳ね馬はさらに加速をして200キロ近いスピードで闇夜を駆ける。     
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!