車を駆る「紅焔」

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紅いフェラーリが「Scylla」の前に着くと、そこにはKnightが先回りをしていた。 あたしはサングラスをかけて車から出る。 「Bishop様、Queen様、お待ちしておりました」 「お疲れ。で、今はどうなってんの?」 「今日はもう閉店していますが、モニターには彼らが映っています」 『Knight、真凜の様子はどうだ?』 「私では解りかねます。出来ればBishop様に確認していただいたほうがよろしいかと」 『分かった。Knightは車を駐車場に頼む。Queen、行くぞ』 「あいよ。って言うか、お前で大丈夫なわけ?」 『何がだ?』 「万が一、真凜が薬を使われてたら、それを確認できるのかよ」 『我を誰だと思っている?必要ならMasterに奴を出してもらうように頼むか?』 「な、何でそんな風に脅すんだよ…まあ、お前が一緒なら大丈夫だと思うけど。 でも薬の知識とかあるのか?」 『ああ。何せ蒼焔が総て記憶しているからな。奴は表に出なくとも薬の判別は可能だ』 そんな話をしながら店の中に入る。店の中ではオーナーが待っていた。 「Queen様、ご足労いただきまして…」 「そんな回り諄い挨拶はいい。なんでアドルフが来た時に、すぐに風雅様に連絡をしなかった!」 「申し訳ありません。まさかアドルフ本人が来るとは思わなかったものですから」 「危機感がねぇな…あいつだったら速攻で斬り捨ててる所だ」 『その話は後だ。ところで真凜はどうした?』 「真凜なら奥の部屋で休ませています」 「奴等の使ったグラスとかはそのままにしてあるよな?」 「勿論です。その様にQueen様から指示がありましたから」 「それも一緒に持ってきてくれ。Knightはキットを持ってきてくれないか?」 「承知しました、Queen様」 「それから部屋に入るのは俺とKnightとそれからこいつだけにしてくれ、良いな。 Pawnは店全体をチェックしろ。小型カメラや盗聴器があったらすぐに外して破壊しろよ」 従業員全員に指示を出すと、あたしとウルフとKnightは真凜のいる部屋に入った。 中には顔色の悪い真凜がいる。Pawnがアドルフ達の使ったグラスや灰皿を持ってくると、 テーブルの上に置き部屋を後にした。
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