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髪を梳くように指を絡めて、やんわりと撫でられる。優しく触れる手の平の感触が気持ち良い。
「私はずっと莉那のそばに居るよ。莉那の方こそ、ずっとそばに居てくれる?」
耳元で囁かれるその柔らかい声に、心から安堵する。
あ・・・どうしよう。ちょっと泣きそうかも。
鼻の奥がツンとしてきて、宏実さんに悟られないように、宏実さんの首元に顔を埋めた。
「・・・宏実さん以外、何もいらないです。」
やっと絞り出した声は、案の定ほんの少し鼻声だ。
「ふふっ。ありがと。
その言葉、最高のプレゼントだね。」
宏実さんはそう言って嬉しそうに笑った。
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