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お前はもう、パーティーにはいらないから、と。
そう言われた。
役立たずで、のろまで、グズで間抜け。
養う金すらもったいない。
だから、お前とはもうここで終わりなんだと。
パーティーのリーダーに、冷たい目線と声音で縁を切られた。
罵られるだけ罵られ、俺は所属パーティーを解雇される。
悔しい思いはあった。
でも涙よりも、届かなかったのだという気持ちのほうが大きかった。
ずっと、憧れのパーティーだったんだ。Sランクパーティー『ソウルブレイズ』。
俺がちっちゃい頃から、メンバーを入れ替えながらずっと続く名門パーティーで、常に冒険者の都市でトップの地位を走ってきた。
カッコ良かった。輝いていた。
戦士は筋骨隆々としたマッチョメンで、魔法使いは巨乳で色っぽい。
盗賊は抜け目なく辺りに厳しい視線を走らせ、弓兵はすらりと伸びた手足が長くてカッコいい。
Sランクパーティー『ソウルブレイズ』のメンバーはみんな、輝いて生きている。
冒険者としての『今』を懸命に駆け抜けている。そんな憧れがあった。
だから、『ソウルブレイズ』の仲間は家族なんだって。
パーティーメンバーの信頼は固く、困ったことがあればなんでも助けあえる。
そんな、理想のパーティーだったはずだった。
俺はそういう『ソウルブレイズ』が好きだったのに。
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