『 ツノ出せ、ヤリ出せ 』

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『 ツノ出せ、ヤリ出せ 』

またゲリラ豪雨か・・・ ここ最近は多い 耳を裂くような音が鳴り響き、俺のお気に入りのコートはビシャビシャだ 処理の日はこんな天気ばかり 「テンション下げんじゃねぇよ・・・」 1人で呟く いつもなら相棒が隣にいるハズなんだが、今はいない その代わり、今日は冴えない新人小僧が俺の後ろで震えている 「なぁよ、オメェさん現場初めてなんだってな。どうだ、ビビっちまったか」 「ほ、ほんとに僕らがやるんですか・・・? その、機能停止になるまで」 「当たり前だろーがよ、犯罪者ほったらかす訳にゃいかんだろ」 「でも、ダメになっちゃった人って、その、人を襲うっていうじゃないですか。実際に被害者が出た例も・・・」 「あー、最近だとウチの息子の学校だな。男子生徒が1人邪鬼になり、教頭が喰われた・・・ったくシャレになんねぇよ」 新人小僧が黙った 大丈夫かコイツ、全然頼りにならん 「まぁ良いさ、初めての現場だ。危ねぇ時は自分の身の安全を最優先しろ」 「ハイ、泉さん...スイマセン、僕、その、大丈ぶ・・・」 小僧が何か言いかけた時、遮るように俺の胸元で無線機が音を立てた 『泉、山崎、聞こえるか?その先の地下道だ。上手くワナに引っかかってくれた。後は頼んだぞ』 「さてと、仕事だぞ新人。気ィ引き締めとけ、チャック開いてんぞ」 小僧が慌ててズボンのチャックを閉める だいぶ街の外れまで来たな、薄汚れた地下道への入り口がある そう、ここだ ゆっくりと階段を降りていく・・・音を立てないように注意する だが雨音でうるさい外とは逆に、階段を降りれば降りる程、水滴が落ちる音と自分たちの足音だけが響いていく 壁のチカチカと不安定な電灯を頼りに、薄暗い闇の中へと降りる いた、対象を確認 警察があらかじめ仕掛けておいた罠、豚の血を染み込ませた結界陣にソレは捕らわれていた 動きを止め、ただ黒い霧を撒き散らしている「人であったナニか」 まだ少女のカタチを保っているが、その瞳は白く濁り、感情というモノを一切感じない 後ろで小僧が震えてるのがわかった 「さて、新人いいか?解くぞ、結界」 「へっ!? は、はい・・・」 「コレ解かねぇと探せないからな。目玉を」
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