『 ツノ出せ、ヤリ出せ 』

3/3
前へ
/114ページ
次へ
あり得ない事が起こった 完全に機能停止したハズの消し炭が口を開いた 「・・・イズミ・・・イズミ・・・バトウ・・・」 思わず目と耳を疑った 泉 芭当(いずみ ばとう)、俺の名だ... 「お前...なんだ? なぜ話せる? なぜ俺の名前を知ってる!?」 「カ・・・カラス・・マ・・・」 その言葉だけを残し、消し炭は本当に消し炭と化した なんだ、なにが起こっている 半年前から、子供から若年層が邪鬼に変わる事件が多発し始めたこの街 同じく半年前に警視庁陰陽課所属の刑事を5人殺害し、自らも何者かに殺された俺の相棒 裏で何かが動いている気がする 嫌な予感がする、何かとてつもなく悪い事が起こりそうな予感が 遠くから近づいて来るパトカーのサイレンの音よりも、俺は消し炭が最期に残した言葉が耳から離れなかった
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加