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あり得ない事が起こった
完全に機能停止したハズの消し炭が口を開いた
「・・・イズミ・・・イズミ・・・バトウ・・・」
思わず目と耳を疑った
泉 芭当(いずみ ばとう)、俺の名だ...
「お前...なんだ? なぜ話せる? なぜ俺の名前を知ってる!?」
「カ・・・カラス・・マ・・・」
その言葉だけを残し、消し炭は本当に消し炭と化した
なんだ、なにが起こっている
半年前から、子供から若年層が邪鬼に変わる事件が多発し始めたこの街
同じく半年前に警視庁陰陽課所属の刑事を5人殺害し、自らも何者かに殺された俺の相棒
裏で何かが動いている気がする
嫌な予感がする、何かとてつもなく悪い事が起こりそうな予感が
遠くから近づいて来るパトカーのサイレンの音よりも、俺は消し炭が最期に残した言葉が耳から離れなかった
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