第1章

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シン、実は怪談集 ●真夜中のベランダにて 昨夜 いや 正確に言えば 今朝のことだが 夜中の三時に 私の寝ているベッドの頭の方にある窓の外から カツン カツン っと音が聞こえてきたようで 目が覚めてしまったのだが まあ 気のせいと思い トイレに起きて 済ませてから また ベッドに横になったんだな しかし 再び カツン カツン カツン っと  そうだな ヒールの高い靴で その辺を歩いてるような音がするんですよ ったく 真夜中の三時過ぎに 迷惑なやつがいるなあっと思いながらも うとうとし出したら またまた カツン カツン カツン カツン って今度は断続的に聞こえてきてさ いい加減 今日は 仕事早番で 朝早く起きなきゃならんのに ふざけるな っと思い 頭の方のベランダに面した窓のカーテンを開けて外を見てみたんですよ しかし うちのベランダは 別に道路側とは反対だし 道からのヒールの音が響くはずはないって気がついては 外の闇を眺めていたら また  近くから カツン カツンが聞こえてきては おいおい なんなんだよ?っと頭にきては 「煩いなあ」って一言 呟いたらば またすぐ近くで カツーーンって 響いては 「これヤバイやつ~!」って思い すぐに カーテン閉めては 「なんもねえなぁ。寝るか」って小声で言っては それから 寝ようとするも いやはや その後 九〇分ほど いやーーーな気持ちと怖さで 眠れませんでしたねえ っつうかさ  なんで 夜中の三時過ぎに うちのベランダを歩くんだよぉ ヒール履いた見えない者さんやぁ 安眠妨害だぞぉ っつうか なんも 聞こえませんでしたよ! だから 他に行ってくださいねえ ああ 嫌になるなあ
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