0人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、茜さん。こんにちは」
「杜斗くん、こんにちは」
他の棚を見ていた杜斗が戻ってきた。百七十センチの時弥と百八十五センチの杜斗が並ぶと、まさに理想の身長差だわと思わず茜の顔が緩む。
何をにやけているんだろうといぶかしげに見やり、知らないふりをした。
「杜斗くん、またガタイがよくなった?」
「それほど変わっていないと思います」
「だよね」
「まあそれくらいがいいわよね」
時弥には──という言葉を弟はスルーする。
「あたしはこれから予定があるから、じゃあね。時弥をよろしくね~」
笑顔で店を出て行く。
「相変わらずだな。お前の姉さん」
「うん……」
杜斗は騒がしいなという意味合いだろうけど、姉さんはいつまで俺と杜斗の関係を誤解し続けるのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!