非コミュ

4/15
前へ
/15ページ
次へ
 痩せれば見た目が良くなるはず……そう思い、奮起してダイエットをしたこともある。そのときも、母親は気持ちよく協力してくれた。低カロリー且つ美味しい料理を作ってくれ、いつでも運動できるようにと、室内ジョギング機を購入してくれた。その甲斐あって私は痩せ、デブ軍団から退団することができたのだ。クラスの男子が名付けたデブ派閥「デブ四天王」が、一時「デブ御三家」へと変わったこともある。でも喜んでいられるのはつかの間だった。今度は「ブス四天王」へと移籍させられたのだ。つまり私は、誰もが認めるブスだったのだ。  もともと可愛い子もしくは普通のルックスの子が痩せれば劇的に変わるのだろうが、私の場合痩せてもブスであることに変わりはない。というか、両親の顔を見れば明らかだったのに! 私は無駄な努力をしたわけだ。  そして、追い討ちをかけるように始まったリバウンド。痩せてもなんら変わらない境遇に、ストレスは溜まり食欲は以前よりも増え高カロリー高脂質食に逆戻り。「デブ御三家」から「デブ四天王」に出戻ったのにも関らず「ブス四天王」はそのまま。つまり私は「デブ」と「ブス」を兼任する羽目になったのだ。最悪だ。  私は開き直った。もうルックスは絶望的。だったら、恋愛に注ぐエネルギーを全て勉強に注ごうと決意した。思えば、その頃から私の頭はおかしくなっていた。常に頭の中は受験と食べ物のことだけで占められ、話をする相手は担任の教師と母親ぐらい。父親はいつも仕事で家に帰ってくるのは深夜十二時過ぎ。ろくに顔を合わせない。よりどころは、努力の結果が見て取れるテストの答案用紙と、母親の作ってくれるスペシャルな夜食とスイーツ。だから、大学受験に失敗したとき、私の心は雪崩が起こったように、一気に壊れてしまったのだ。     
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加