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「今日はやけに素直だね? そんな蕩けた顔して。」
「えっ、そ、そんな顔・・・」
「してるよ。 本当に可愛いね、莉那は。」
でも自分では分からない表情の事を言われるのは、やっぱり恥ずかしくて。
「そんな顔してない」と言いたかったのに、最後まで言わせてくれない宏実さんは意地悪だ。
宏実さんは私の事をいつも可愛いと言ってくれるけれど、自分では一度もそう思ったことなんてない。
それも宏実さんは知ってるくせに、こうして言ってくるのは、きっと、いや絶対にわざとだ。
ふわりと頭を撫でられ、なんだか子供扱いされているような気がして。
宏実さんの表情、なんでそんなに楽しそうなの。
顔が熱い。
もう、なんか調子狂う・・・
「か、可愛くなんか、ない・・・です」
こうなった宏実さんは聞く耳持たないのは知ってる。でも、悔しいから無駄な抵抗と知りつつも、否定してみる。
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