聖夜の贈り物~3~

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「今日はやけに素直だね? そんな蕩けた顔して。」 「えっ、そ、そんな顔・・・」 「してるよ。 本当に可愛いね、莉那は。」  でも自分では分からない表情の事を言われるのは、やっぱり恥ずかしくて。  「そんな顔してない」と言いたかったのに、最後まで言わせてくれない宏実さんは意地悪だ。  宏実さんは私の事をいつも可愛いと言ってくれるけれど、自分では一度もそう思ったことなんてない。  それも宏実さんは知ってるくせに、こうして言ってくるのは、きっと、いや絶対にわざとだ。  ふわりと頭を撫でられ、なんだか子供扱いされているような気がして。  宏実さんの表情、なんでそんなに楽しそうなの。  顔が熱い。  もう、なんか調子狂う・・・ 「か、可愛くなんか、ない・・・です」  こうなった宏実さんは聞く耳持たないのは知ってる。でも、悔しいから無駄な抵抗と知りつつも、否定してみる。
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