聖夜の贈り物～３～

「莉那は誰よりも可愛いよ」

　当然のように返され、やっぱり無駄だと思い知る。
　そんな愛おしそうな瞳で見つめられたら、反論しにくくなってしまう。
　でも『誰よりも』は語弊があるから、そこは否定しないと。

「宏実さんの方が、絶対に可愛いです。
　世界一、いや宇宙一可愛いです。」

　半ばムキになりつつ言い返せば、ふっと笑われ「はいはい、ありがと」と流されてしまった。

　絶対分かってないな。

　宏実さんがどれだけ可愛いか力説しようと口を開こうとしたら、唇に人差し指を当てられて仕方なく口を噤んだ。