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可愛いサンタさんに手を引かれ、寝室までの廊下を歩く。宏実さんが一歩進むたびに、ふわふわの帽子が揺れるのを、後ろから見ていた。
揺れる帽子を見つめながら歩きつつも、色白の生足がチラチラと視界に入って、なんだか落ち着かない。
ヤバい。なんか私、変態みたいだ。
冷静に。冷静になれ自分。
心を落ち着けようと必死に自分に言い聞かせる。
寝室に入ると窓から月明かりが射し込んでいた。
見慣れた空間のはずなのに、見慣れない格好をした宏実さんがいるだけで、知らない場所にいるように感じるのが不思議だ。
先にベッドの横まで辿り着いて振り返った宏実さんが、あまりにも綺麗で、可愛くて。
私は無意識にごくりと生唾を飲み込んだ。
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