こんなイベント聞いてない。

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こんなイベント聞いてない。

……さてみんな。 突然で申し訳ないのだが、誰か早急に説明を求む。どうして今、俺はこんな状況に置かれているのだろうか。 人間、あまりの衝撃を受けると思考回路というものが停止してしまうらしい。 目の前で妖艶な笑みを浮かべて舌舐めずりするこの男を早くどこかにやってくれ。頼むから。金は弾むから。……10円くらい。 しかし、決して、多分きっと、俺はひ弱ではない……はずなのに、まるで縫い付けられてしまったかのように身体の自由が利かないのは何故だろうか。 おまけに両手は一纏めに括られているし、押し倒されているしで、これはもしや、絶体絶命というのでは……? 「あは、そんなにビクビクしないでよぉ〜虐めてるみたいでこーふんしちゃぁう」 「実に愉快です」と言わんばかりに、コイツの顔はニコニコだ。虐めて興奮するとかどんな趣味だよやめてくれ。俺相手じゃなくて他所でやって!? もう泣きたい。 ──今や文化部の部活動でしか使われていないという、人気のない学園裏の旧校舎。 少し埃っぽい室内の窓は完全に締め切られ、外からはドタドタとした足音や悲鳴のような金切り声が辛うじて聞こえるぐらいである。 なんで一人でこんなところに来てしまったのか、今は悔やんでも仕方が無い。 とりあえず、ここで大声のひとつでもあげれば助けが来るかもしれないが…… それが出来ないことをこの男は分かっているのだ。 そう、この──生徒会会計様は。
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