幸せのあり方

サンドイッチ騒動

「……ない！」

　さっきまでマグボトルと一緒にキッチンの作業台に置いておいたサンドイッチが忽然と姿を消していた。

　クロワッサンを軽く焼いて上下に開き、一つは中にレタスとウインナー、もう一つはレタスとスクランブルエッグを入れたサンドイッチが。

　ない。

　ふと、思い当たることが一つ－－。

「どうしたの？」

　私の声を聞き付けたダンナが洗面所から顔を覗かせた。

　そう、うちのダンナ様は捨て魔なのだ。