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一章の二
二
人類がまた、我々がサルであるということを証明したらしい。
しかし、それで命を狙われることになるとは。
本当に余計なことをしてくれたものだとハーシャッドは思う。
せっかく、我々の言葉を理解する者たちが現れたというのに。ここには二人しかいないが、立花のいたドレウにはもっとたくさんいるらしい。額に目を持つ、我々の理解者が。
ハーシャッドは港に来ていた。一匹である。まだ時間には早い。それはわかっている。
辺りは薄暗い。
早朝であった。風はなく、濃い潮の匂いが地を這うように低く漂っている。
真っ平らな船に、大型のクレーンが積まれた状態で浮いている。ロープを渡りきり、クレーンの窓の上まで登った。ハーシャッドは港を見下ろしている。そして、丸くなった。長く平らな尾は、背中に這わせるようにしている。その尾は普段からそんな感じで、常に反ったような感じになっていた。むしろ、ハーシャッドにとってはそれが自然だった。力を入れた時は逆に後方に向かって硬くなり、伸びる。滑空している時、体勢を整えるのに使うのである。
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