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【出逢い】
受験が終わって高校に入学。入学式の校長先生は話長かったけど生徒会長は少し格好良かったのかもしれない。新入生が少しざわついたから。
確かに格好良かったけど、私には彼氏とか彼女とか分からない。
だってさ、私たち15歳じゃん。今年の誕生日を迎えても16歳だよ?
それで彼氏つくってもどうせ長続きしないで別れて悲しい思いするだけでしょ。
「うっわ…ナニソレ。それが女子高生の発言なの?」
「だって事実だよ?私は別れるだけの男なんてつくりません」
「葵は彼氏イコール永遠の旦那なわけか」
目の前の聡美は中学からのつき合いでナチュラルメイクを卒業して高校入学と共にバッチリメイクになった。
メイクも彼氏つくるのに全力なのも不自然じゃない聡美は私から見ても可愛い。
そして、私は普通で地味だと分かっている。鏡を見れば黒髪だし、コテで巻くこともないし染めてもいない。毎日ブラシかけて終わり。ついでに告白するとコスメなんて持っていない、眉だけは聡美がギャーギャーとうるさくて定期的に整えてもらっているけど私はハッキリ言ってどうでもいいな。
「なんで?10代恋して可愛くなろう!」
「恋なんて曖昧なものではなく、10代知識を付けて賢くなりましょー。はい、コレ約束の」
「あ、もー!葵ったらありがとう!!」
机に聡美の苦手科目のノート3冊を並べる。私は中学から聡美専属家庭教師。
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